センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 カサンドラ症候群


この言葉の定義を初めて読んだとき


私は 夫にも発達障害があるのでは、と


疑ったことがある。



 (LITALICO 参照)




一般的には


夫婦関係での状態を指すことが多いが


ジャーナリストの草薙厚子さんによれば、


職場での上司との関係でも使われる。



つまり


上司がアスペルガー症候群だった場合に


その下で働く部下に


こうした不調が表れる状態だ。





夫の義父が 危篤状態だと連絡を受けたとき



二人で病院へ駆けつけたのだが


夫は ほんの数分、病室にいただけで


「食事に行こう」と言い出した。



素人目にも 義父は今際の呼吸になっていて


こんな時に、と反対しても


夫は聞く耳を持たなかった。



そして、回転寿司へと車を走らせ


とてもそんな気分になれない私を車に残し、


一人で店に入って行った。



義父の呼吸が止まっている、と


病院から連絡が来たのは 


夫が食事を終えてすぐのことだった。



「間に合わなかったか」と呟く夫は


どこか他人事のように見えた。






私の父が頭部骨折で緊急手術をしたとき



大勢いても仕方ないので


交替で付き添おう、と言ったのは夫だった。



そして、自分が少し付き添うと


付き添っていてもできることはないから


と、帰ることを提案したのも夫だった。



それを聞いた人が


どんな気持ちになるのかを


気遣うことができなかった。



夫は 義父のことも父のことも


好きではなかったので、


仕方がないと思っていた。






私が 具合が悪くて寝込んでいると



決まって不機嫌になり


「晩ごはんはどうするんだ!」と


吐き捨てるように言うのも


一度や二度ではなかった。



これは


昭和の男の あるあるなのかと思っていた。



彼のアルコールの問題も


誰に何を言われても


何が問題なのか 全く理解できなかった。



子育ての協力も得られなかったが


それの何が問題なのか わからなかったし


自分が優しい良い夫であると


信じて疑わなかった。




発達障害とか 心の問題については


慎重に考えなければならないし




そもそも


自閉症度テストをすると


自閉症度ゼロという人はいない、と


研修で聞いたことがある。



それでも



発達障害の専門医が書いた著書には



発達障害の子供を連れて


診察を受けに来た親が その言動から


発達障害を疑われ、


親子でカルテを作るという例も


珍しくはない、と書かれている。




今となっては 確かめる術もない。



彼が発達障害だったのなら


許せることができたのかも 



    わからない。