センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 ろくなもんじゃない


新内閣が発足した。



何が変わるんだろう?


着ぐるみのきつねがたぬきに変わった程度か


と思う。



もうきつねさんには飽き飽きしてたけど、


たぬきさんなら期待できるかと言うと、


まぁ、それはない。



「新しい内閣を信任してもらえるのか、


 主権者たる国民に問うのが大義だ」



大義?大義って言った?


そんな大それた言葉を使っちゃう?



そもそも国民主権なんて思ってないでしょ?


最初からこんな嘘くさいこと言われて、


何を信じて任せろと?



たぬきさんを見ていて思い出すのは、



キャンディーズのファンだったのよね?とか


鉄オタなのよね?とか


そんなこと。



つまり、どうでもいいこと。



大義などという言葉を軽々に使う人間は


そもそも怪しいぞ、と思う。


ろくなもんじゃない、とさえ思う。



大義という名のもとに


どれほどの命が犠牲になっただろう。



ろくなもんじゃない。



やっぱり


とりあえず、


「そこ、どいて!」



 鉄仕事


使っていたフライパンが劣化してきた。


テフロン加工の軽いフライパンと


ティファールである。



テフロン加工のフライパンは便利だが、


強火でガンガン焼くことはできない。


ここで結構失敗してきた。



このフッ素樹脂は


温度が260度以上になると劣化し始め、


360度になると、有害なガスが発生する。



空焚きなんて、以ての外なのだ。


つまり私のような迂闊な人間には向かない。



迂闊な人間がやらかしてきたので、


もう、今使用中のフライパンは末期である。



次は、迂闊な人間にも安全な物がいい。



色々調べていたら、


ボオグルという名前ののフライパンが良い、


とインスタグラムで流れてきた。



ちょっとお高いけれど、ほぼ決まり、


というところで、



今度は鉄のフライパン広告が流れてきた。


鉄なら迂闊な人間でもいいかも。


でも、重いしなぁ。サビや焦げ付きも心配。



しかし、ティファールだって重いし、


鉄分補給に一役買いそうだし。



日本製というのもいい。


「日本のモノづくり」という言葉に弱いので


あっさりとこちらに乗り換えた。



この鉄製のフライパンは、


ハードテンパー加工(焼付油ならし)なので


サビや焦げにも強いらしい。



ちょうどgladdというショッピングサイトで


安くなっていたので、早速注文した。



届いたフライパンは重いと言えば重いが、


ティファールとそんなに変わらない。



さ、鉄仕事、鉄仕事。



ハードテンパー加工はしてあるが、


鉄のフライパンは最初が肝心である。



洗剤できれいに洗って、火にかける。


油を丁寧に馴染ませるのだ。



サイズと用途違いで買った3個のフライパンに


次々と鉄仕事を施し、準備万端である。



久しぶりの鉄のフライパンは


思っていたよりもずっと使いやすい。



強火で仕上げる野菜炒めもお肉も


なんともいい感じである。



使った後はお湯で洗って、きれいに拭き、


また、火にかけて仕上げる。



いいなぁ。


たかがフライパンなのだけれど


なんだか嬉しい。



食欲の秋にふさわしい、


良い買い物になったのだった。




 土鍋仕事


もう1年以上、炊飯器を使っていない。



色にこだわって探した、


お気に入りのネイビーブルーの炊飯器だが、


土鍋で炊いたご飯の魅力には敵わない。



慣れてしまえば、土鍋の方が早くて楽だ。


コロンとした丸い形状に惹かれて購入した、


萬古焼の土鍋は値段もお財布に優しかった。



長男と二人暮らしだから、三合炊きにしたが


実際に三合炊くと、炊き上がりが今ひとつ。



普段は二合炊くだけだから良いのだが、


次男が帰って来ると三合は必要になる。



五号炊きが欲しいなぁ、と思っていた。


煮物を炊くのにも良さそうだし。



陶器市で好みの土鍋を見つけたけれど、


結構な値段だったので


同じ物をネットショップで調べてみた。



公式ホームページでの定価が


陶器市で安くなった値段と同じだった。


まぁ、そんなもんである。



別のネットショップで安くなっていたので、


そこで注文することにした。


陶器市の値段より2千円ほど安かった。



土鍋は届いてみると、


思っていた以上に存在感があり、重い。



さて、どこに収納しようか。


とりあえずは、土鍋仕事をしなければ。



土鍋には吸水性があるので、


汚れやカビ、においの原因になる。



まずは使う前の手入れが必要である。


お粥を炊くとか、米の研ぎ汁で煮るとか


色々な方法があるようだが



この会社は小麦粉を溶いて煮る、


という方法を推奨している。



すいとんの粉があったので、


水で溶いて、土鍋に入れて煮た。



ついでにすいとんも作って昼ご飯にした。



どうしてすいとんの粉など買ったんだろう?


と、ふと考える。



子どもの頃、


「はだしのゲン」が連載されていて


毎週、読んでいた。



子どもには、なかなか重い話だし、


その絵も、子ども好みとは言い難い。



この話の中に


ある時、すいとんの話が出てきた。



箸を立てても倒れてしまう、すいとん。



戦時中の食料難で、具が少なくて


シャビシャビのすいとんしか食べられない。


そんなエピソードだったと思う。



それを読んでから、すいとんというものを


食べてみたいと思った。



父に、箸の立たないすいとんの話をすると、


どうして知っているのだと笑っていたっけ。



土鍋仕事のついでに作ったすいとんは、


具がたっぷりで、美味しかった。


お腹いっぱい食べられる幸せ。



箸の立たないすいとんの味を


覚えている人は少なくなっていく。



大きな土鍋で


ほかほかのご飯をたっぷり炊きたい。



そういう幸せに感謝して


そういう平和を守りたい、と


心から思うのである。