センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 世の中の縮図


日々、子どもたちの様子を見ていると


世の中の縮図だなぁ、と思う。



人間って、


基本、楽な方向、悪い方向へ流れやすい。



施設ではおやつを提供しているのだが


自分の分を取った後に、しばらくしてから


こっそりおやつを盗む子どもがいる。



スタッフはみんな気づいているのだが


盗む瞬間を見ていないので


その子どもを問い詰めることもできない。



そして、それをいいことに


その子は他の子にも こっそり勧めるのだ。


「1つくらい持っていってもわからないよ」




その子が遊ぶ相手は


おとなしくて、ちょっと不器用で


Noと言えない子たち。



つまり 発達障害の子が含まれる。



学校でもあるあるなのだけれど


頭が良くてずるい子は、


発達障害の子を都合よく利用する。



傍目には仲良く遊んでいるように見えるが


空気が読めず、素直に信じてしまう子たちを


上手に利用し、悪い方向へ引き入れる。



いたずらに誘って、やらせ、


見つかって怒られると、


全て発達障害の子のせいにする。



もしくは その子を笑い者にするために


あれこれ指示して他のみんなに見せる。



まだ子どもなのに かなりずるい。


始まりはイジりだが、やがていじめになる。



子どものいじめは 地下に潜りやすい。


子どもを預かる現場は、どこも忙しいから


こうしたいじめに気づきにくいのだ。



さて、さて、どうしたものか。



発達障害の子を守ろうとすればするほど


それを利用する子たちは巧妙になる。



利用される側は、素直に相手を信じるから


利用する側から離すことも難しい。



本当に これは世の中の縮図だ。



ずる賢く、力の強いひと握りが


素直に信じる弱い者たちを陥れる。





昔、次男の小学校の担任が言った。



「子どもたちの関係は、


 ヤクザと同じなんです。ボスがいて、


 手下がいて、またその下がいる。


 ピラミッドなんです。」



次男は仲の良い友だちからいじめられ


一時、不登校になった。



翌年の担任は、次男と同い年の子どもが


やはりいじめにあって苦労した人だった。



だから、全力でいじめ解決に向けて


懸命に取り組んでくれた。



先の言葉は その担任の実感である。



性善説が正しいか、性悪説が正しいかは


わからない。



でも、世の中はやはり弱肉強食だ。


恐ろしいほど その闇は深い。



子どもたちに 正しくあれ、と指導するのは


口で言うよりずっと難しい。



それでも


あきらめないで、大人は動かなくちゃ。



弱いものいじめがあたりまえの世界に


素敵な未来なんてないのだから。