センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 セーラー服の強がり


高校生のとき、反社会組織の人が集まる、


お葬式に出くわした。



電車を降りての帰り道、


ひとりでトボトボ歩いていると



いつも通る、お寺の前に


ドラマみたいな光景が広がっていた。



肩を怒らせて


ヤクザウォークをする人、人、人…



ちょっと経験のない、すごい光景だ。



きっと トップの人とか 幹部の人とか


その道のエライ人が亡くなったんだろう。



ものすごい数の黒軍団だ。






 さすがに良い車に乗ってるなぁ。


 ホントにあんな歩き方するんだなぁ。




セーラー服の私は そんなふうに感心して



でも、



そこを通らないといけない、という現実に


さすがに躊躇した。




      どうする?




まぁ、でも 後戻りもできないし


遠回りはしたくないし



そのまま まっすぐに進んで行った。



喪服姿の若いお兄さんたちに


ジロジロ見られたけれど



怖くないふりをして 顔を上げて歩いた。


ここで引いては女がすたる。





セーラー服の私も 心の中で


ヤクザウォークをしていたのだった。