センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

「だいじょうぶ だいじょうぶ」


父の病気がわかって


それが深刻な状態になりつつあるとき



この絵本を手に入れた。


このタイトルが それだけで救いになった。





おじいちゃんとおさんぽに出かける僕は


おじいちゃんから守られ、教えられて


どんどん世界が広がっていく。



けれど


成長と共に 僕は気づく。


世の中は楽しいことばかりじゃない。



こわいことやむずかしいことも


たくさんたくさんあって 立ちすくむ。



そのたびに おじいちゃんは声をかける。



「だいじょうぶ、だいじょうぶ。」



それは 希望につながる魔法の言葉だ。





そうして 大きくなったぼくが


おじいちゃんの手を握りしめるラストへと


つながっていく。






父はいつもこうして


私の小さかった子どもたちを


散歩に連れて行ってくれた。



いつも こうして 守ってくれた。



今でも


この絵本は いちばん大事な絵本で



今でも


とても温かい気持ちにしてくれて




少し 涙ぐんでしまうのだ。