夢を見た。
実家のリビングに夫がいる。
素敵な絞りの着物の背中は
振り向いたら、義母だった。
義母は、私と夫の不仲は
私に責任があると非難する。
夫と向き合い、
もう、一緒には暮らせないと話し合うが
話し合いは平行線だ。
ひとりにされることに怯えて泣く夫。
また一緒に暮らすことに怯えて泣く私。
これからどうしていけばいい?
絶望的な気持ちで走り去る夫。
絶望的な気持ちで見送る私。
どうしようもないその絶望感だけが
目覚めたあともずっと消えなかった。
時間の経過は
思い出を優しくオブラートに包むけれど、
どうしようもない絶望感だけは
時を経てもリアルなままだ。
夢の中の夫は
いつだって不機嫌で、いつだって不幸だ。
この世と隔てる壁の向こうで、
どうか彼の魂が安らかでありますようにと
静かに祈る朝だった。