お月さまは誰にも優しい
大きな月がきれいだった。
子どもの頃
お月さまはいつだって自分に付いてくる、と
本気で思っていたし、とても不思議だった。
お月さまはいつだって みんなのもの。
同じ月を 同じ場所にいない人たちが
同じように見上げている。
お月さまは
誰にでも公平で 誰にでも平等だ。
そのきれいな姿を出し惜しんだりはしない。
誰にでも公平で 誰にでも平等。
それはあたりまえにあるようでいて
あたりまえにはない。
そういう人になりたいと思いながら
なかなかそうはなれない。
公平と平等って
実はなかなか難しいハードルだ。
お月さまは
欠けていようが まん丸だろうが
いつだって 誰にも優しい。
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