センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 この虚しさと引き換えに


なんだか 虚しい気持ちでいっぱいだ。




弁護士から経過報告があった。


連帯保証人を外してもらう交渉は


うまくいかなかったようだ。



私と会社との話し合いでは


もしものときには


等分に債務を負担する代わりに


連帯保証人を外してもらう、ということで


合意していた。



しかし、その合意書を書くにあたって


あまりにも 私の知らないことが多過ぎ


また、会社側も知らないことが多過ぎた。



おそらく 夫も経営については


よくわかっていなかった。


アドバイザーに任せきりだったのだ。



だから お互いのリスクを減らすために


弁護士に相談したのだが



結局、弁護士を介入させることで


敵対的関係になってしまった。



弁護士もそれを懸念していたし


私もそんな関係を望んではいなかった。



それでも 敵対的関係になってしまった。




今まで聞いたこともない、


会社から夫への貸付金が存在すると


弁護士宛に文書が届いた。約100万だ。



何度か会社側と話し合いをしたときには


一度も出なかった話だ。



なるほど 弁護士が入ると


敵対的関係になってしまうんだな、と


その文書を見て思った。





なんだか どうでもよくなった。



誰だって 自分を守りたい。


会社側だってそうだろう。



弁護士は これからきっちり調べるし


深刻な問題ではない、と言った。


依頼人の利益のために動いてくれるだろう。



けれど



私の中では この問題がどうか、ではなく


これほどまでにわかりやすく


敵対的関係になったことを


会社側がアピールしてきたことに



どうしようもなく虚しさを感じ


その虚しさの方が


私にとっては 深刻な問題だった。




人は ちょっとしたことですれ違う。




ほんの小さな波紋が



言葉を尽くさなかったために


目の前のことだけにとらわれたために



どうしようもない大きな渦に変わっていく。



この宿題は 重い。



私と会社の問題ではなく もっと根が深い。



落とし所を探れば きっと解決するだろうが




この虚しさと引き換えに


私は 何を得られるんだろう。