センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 分けること 隔てること


「未来への10カウント」というドラマの中で


木村拓哉さんが演じる桐沢は


母校で非常勤講師となるが、



他の常勤教師と


職員室での居場所を分けられる。



大事な個人情報があるので、


常勤スペースには入るな、と言われるのだ。



この場面は


学校という所をうまく表現していると思う。






教師というのは、


全てが正規の職員ではない。



担任を持つ教師は


当然に正規職員だと思っていたが



担任を持つ常勤講師は1学年にひとりはいた。



正規職員と全く同じ仕事をするのに


正規職員から どこか下に見られていた。



学校カーストという言葉が


話題になったことがあったけれど



職員室の中にも


こうしたカースト制度はあるのだ。



教師も人間だ。


好き嫌いもあるし、マウントも取りたい。



常に人手不足で 常に忙しい職場だ。


子どもが好きなだけでは務まらない。



ストレスも溜まるだろう。



だから



前に問題になったような


同僚いじめとか 新人いじめとかもあるし



子どもがターゲットになることもある。






発達障害の子どもは 


ターゲットになりやすい。



よく、「子どもが人質になってるから」


と保護者が口にするけれど



それはある意味、正解だ。



保護者とうまくいかない教師が


その子どもに当たる、というのはある。



もちろん、本当に熱心に指導している、


素晴らしい教師もいる。



私が見たものは ほんの一部分でしかない。


しかし、それもまた事実なのだ。




ある、3年生のクラスの担任は


明るくて、授業もわかりやすくて


子どもからも 保護者からも人気があった。



そのクラスに


知的レベルの低い女の子がいた。


計算が苦手で、足し算や引き算に苦労した。



その子について、担任と話しているとき



その教師は言った。


「あの子は、昔で言う白痴なんです。」と。



びっくりした。



こんな死語になっているような差別用語が


この教師の口から出てきたことに。



何より その子は白痴などではなかった。


知的レベルが他の子より低いだけだ。





ある意味、


教師は とても人間らしい。




私は 知ることになる。



学校には


分けることも 隔てることも


私たちの世界と同様にあることを。