センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 春の階段を上る


桜の咲く季節に生まれた。



新年度の始まりと重なる季節なので


何もかもが新鮮な感じがする。



真新しいランドセルを背負った小学生や


初々しいフレッシュマンたち



彼らのピカピカ光るような若さが眩しい。





もう、あの輝くような光を


纏うことはできないけれど



静かに沈む夕暮れの光みたいに


ぼちぼちと歩みを進められたらいい。



全力疾走の日々を過ごしてきた、


私たちだけの特権だ。



希望に満ちた光の中にいても


いつか 歩けなくなるときもある。



そういうことを知っている私たちは



体の衰えと引き換えに


知恵を携えて 春の階段を上る。





高橋優 プライド