センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

都市伝説の怖い話

インスタグラムを見ていたときに


「ウォーリーを探せ」の怖い話、


というものがあった。



「ウォーリーを探せ」は大量の群衆の中から


赤白のシマシマシャツを着た、ウォーリーを


探すという、イギリスの絵本だ。




怖い話、というのは


そのウォーリーにはモデルがいて


それは25人もの子どもを殺した殺人犯で、


警察に捕まった後に、刑務所から脱走した。


そして


そのまま姿を消した、というもの。





これに作者が危機感を覚え、


「ウォーリーを探せ」を作ったのだと言う。


つまり、この絵本には


「殺人犯は今も人ごみの中に紛れている。」


というメッセージが込められているらしい。



ウォーリーのシンボルとも言える、


赤白のシマシマシャツと帽子は


精神異常の囚人を表しているのだと言う。


そして、絵本に登場する、


ウォーリーの親衛隊は総勢25人。


殺された被害者の数も25人。


これらのことが、


この怖い都市伝説の根拠らしい。



しかし、この都市伝説の調査の結果は



そんな人物はいなかったし、


そもそも、精神異常者の囚人服は


赤白のシマシマシャツではなかったし、


そんな事件もなかった、というものだった。






というわけで


この怖い話は、一件落着 なのだが、


私はこの都市伝説を読んで以来、


眼鏡をかけた、優しげなウォーリーが


実はなんだか怪し気な人物に見えてしまい、


脳が受けたインパクトは


簡単には消えないのだと知った。






そして 思い出したのが


木村拓哉さんに関する都市伝説だ。


日本のあちこちで


ここが木村さんの家、という伝説があると


テレビでやっていたことがある。


でも、昔、私が聞いたびっくりする話は


実際に東京へバスツアーに出掛けた人の話だ。






バスであちこち廻り、とある場所へ来ると


ガイドさんが


「ここが木村拓哉さんの娘さんが入っている障害者施設です。」


と指を指したのだと言う。



前にもそんな噂が出たことはあったが、


バスツアーで案内されるとは!



だから、私がどんなに否定しても、


その人は 「間違いない! 」と


少しも疑わなかったのだった。






全く事実でないことが


本当であるかのように伝えられ


それを事実だと信じる人がいる。


これは、とても怖いことだ。



毎週のように新聞広告で見る、


あの週刊誌のタイトルは


ものすごいインパクトを与え、


私たちはそこに傾いていく。



実際に会ったことも話したこともない人の


確かめようもない事実を


本当のように信じて、拳を上げるのは


正義なんだろうか。




「ウォーリーを探せ」の怖い話は



   私たちの怖い話だ。