センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 グレーゾーン


今の学童で見ている1年生には


発達障害の子どもが2人いる。



しかし、私はこの数が怪しいと思っている。



まだ1年生だし、どの子もまだお猿ちゃんだ。


それでも、日々子どもたちは成長している。



随分とみんな落ち着いてきた。


発達障害の子どもも、


それなりに落ち着いてきた。



けれども、その中で


逆に落ち着きのなさ、幼さが目立つ子どもが


気になるようになってきた。



すぐに泣いてしまうおかっぱ頭の女の子は


二学期の後半辺りから


宿題をやらずにウロウロするようになった。



みんなが宿題をやっているのに


いつも「ない」とか「忘れた」とか言って


ウロウロと遊んでいるのだ。



それが今年に入ると


さらに目立つようになり、


何度も注意しないと宿題が出てこない。



痺れをきらして、ランドセルの中を探すが


そもそも、ランドセルの中はぐちゃぐちゃで


宿題を挟むファイルは空だ。



「学校に忘れてきた」と言うのだが


突っ込んである別の漢字プリントは、


10日前の日付で、やり直しもしていない。



先生の美しい字で


「しゅくだいをわすれないでね」と


2箇所に書いてある。



あ〜、もう担任の先生は怒ってるな、


ほとんど呆れてるな、と感じる。



漢字ドリルには付箋がいっぱい貼ってあり、


そのやり直しを求められているのだが


それもやっていない。



本人に説明する。



あのね、やり直しは必ずやらないとダメ。


やり直して、先生に見てもらわないと


この付箋は無くならないよ。



私は小学校で支援していたことがあるので


子どもの宿題忘れを先生は見逃さない、


ということをよく知っている。



先生はね、宿題の閻魔帳を持っていて


やってない子はちゃんとチェックしてるの。


だから、ごまかしてもダメなんだよ。



おかっぱちゃんは、グズグズと言い訳する。


違う!これはやらなくていいの!


宿題はホントにないの!



そして、最後は泣き出す。



昨日、またもやおかっぱちゃんは


宿題を出さない。



何度も声をかけて、それでも出さないので


本人の連絡帳を確認する。



日付が書いてないが、音読と算数プリントが


宿題になっている。



その前のページをめくると、


担任の先生のピンクの文字があちこちにあり



「宿題をずっとやってきません」


「しゅくだいをちゃんとやってきてね」


と書かれている。



保護者に向けて書かれた言葉に返信はなく、


仕方ないので、本人向けにひらがなで書いて


宿題をやるように促している。



これは、問題だ。



担任の先生はきっと、すごく怒っている。


本人にも、保護者にも。



そして、これは私たち学童側にも責任があり


早急に改善しなければならない案件だ。



手のかかる発達障害の子どもに気を取られ


おかっぱちゃんにまで手が回らなかった。



いや、前に宿題をやろうとせず、


連絡帳さえない日があったので


保護者には伝えてあった。



おかあさんは優しそうな人で


おとなしく、控えめな感じで


子どもに目が届かないようには見えない。



けれども、おかっぱちゃんは


真冬にも下着を身に着けず、


動くとお腹が見えている。



よくよく見れば、いつも服が汚れている。



学校に防寒着を忘れ続けて


週末に4枚も持ち帰ってきたのは


このおかっぱちゃんである。



かなりグレーだと思う。



担任の先生もそう考えるからこそ、


おかっぱちゃんを1番前の席に置いている。



そして、迎えを担当している同僚によれば


担任の先生は


かなりおかっぱちゃんに厳しいらしい。



まぁ、そうなるだろうなぁ…



もうすぐ2年生。


このままではいけないので、


必死に宿題をやらせている。



でもね…



おかあさ〜ん!


おとうさ〜ん!



忙しいとは思うんだけれど


ちょっと、子どもに目を向けて下さいな。


保護者も変わらないとね。



グレーゾーンの子どもたちは


実はまだまだいて、



4月に新一年生を迎えるというのに


大丈夫なのだろうかと心配になる。



辞めるに辞められない春なのである。