センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 選択


今日は久しぶりに


79歳になった元同僚とお茶した。



ちょっとない経歴を持つ彼女は


私と同様に子どもを預かる施設で働く。



いっしょに働いていた頃は


そのプライドの高さと瞬間湯沸器的な性格に


振り回されたけれど



随分と丸く穏やかになった。


彼女は春に異動になり、


新しい職場でそこのお局様に苦労している。



頼りの施設長が退職することになり


そのお局様と上手くやる自信がない。



元の施設に戻りたい。


駄目なら辞めようと思う、と言う。



けれども、本心は


80歳までなんとか働きたいのだ。



もう、ハローワークに行っても


仕事を見つけることは叶わないだろう。



ならば、今の場所に留まるしかない。


人手不足だから、異動が叶うかも知れない。



とりあえず、異動が叶わなくても


すぐに辞めてはいけない、と伝えた。



勢いで辞めてしまったら


もう二度と職に就けないかも知れない。



彼女がこの職に就いたとき


既に70歳を超えていたから


ハローワークでの職探しは難航した。



現実を知って下さい、と資料を渡されたのだ


と言っていた。



79歳まで働くことができたのは


この、人の足らない業界だからだし



彼女なりに懸命に働いてきたからだ。



人は、その時々で色々な選択をする。


その選択が、時に自分を苦しめる。



逃げるのもあり。


逃げないのもあり。



彼女がまだ働き続けることができるように


陰ながら祈りつつ



私は私の選択をよし、とできるように


前を向いて進む。