深刻な実家問題①
実家に何枚かLPレコードが残してある。
知らないうちにかなりの数を処分されてしまったけれど、久しぶりに聞きたくなって実家に寄った。
裏口から入ろうとしてドアを開けた途端、呆然と立ち尽くしてしまった。
中に入れない…
大量のダンボールが積み上げられ、行く手を阻むのだ。
兄だ…
兄は独身で、母と暮らしている。
扶養しなければならない妻子もいないし、医療従事者なので比較的裕福だ。
セカイモンとかヤフオクとかが大好きで、頻繁にポチポチしてはモノを増やしている。
実家に行くたびにモノが増えているのは感じていた。それもかなりのスピードで。
配達されて中身を出すものもあるが、ほとんどがダンボールのまま積み上げられている。荷解きせずにそのまま放置されているものもある。
どうする…
しかし、私の大事なLPレコードは救い出さねばならない。
意を決して、ダンボールを一つずつ片付けて行く。
どうにか通り道ができた。
階段を昇れば、LPレコードに辿り着ける!
しかし…
その階段もまた私を通してはくれなかった。
ここにも山のようにダンボールが積まれていたのだ。
途方に暮れる…
恐る恐る覗いてみると、別の部屋にもこれでもかとダンボールが積まれている。もはやカオスだ。
こういう人がいる、というのは知っていた。買い物依存、ネット依存。
でも、まさか、こんな身近で、こんなことが…!
病気だ…
汗だくでダンボールを片付けながら、頭の中で呟いていた。
今日は懐かしいLPレコードのことでも書こうと呑気に思っていたけれど…
山のようなダンボールとの格闘に疲れた私は、只事ではない実家のカオスに呆然とするばかりだ。
どうする、私…
佐野元春
私のダメージは深刻だ…
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