センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

ツルを伸ばすもの

実家の庭でツルニチニチソウと格闘している。


お隣の人がほんの少しグランドカバーのために植えたものが


柵をまたいで越境し、


あっという間にこちらの庭に広がった。




花は可愛らしいのだが、


このツルがものすごい勢いで伸びていく。


あっという間に地面を覆い、


さらに伸びて、エアコンの室外機や


コンクリートの地面まで覆っていく。


ちょっと不気味なくらいだ。



さすがにこれはまずいので、


夏に鋏で切っていったのだが、


気付くと、また伸びて


あっという間に元の姿に戻ってしまう。


根こそぎ取るのが賢明なのだが、


このツルがまた手強くて、量も多い。


とりあえず鋏で切って減らすしかない。



前にYouTubeで見たのだが、


草取りは 


根こそぎ取らねば、


と頑張るから嫌になる。


とりあえず上の部分だけ刈ればいい。


草は葉の光合成で栄養を取り、


そうして根を伸ばしていくのだから、


光合成ができないように刈っていけば、


やがては減っていくのだと。



なるほど、理屈である。



というわけで、


鋏でガシガシ切っていき、


少しはすっきりしたのだが、


もう汗だくでヘトヘトになる。



少し地面が見えてきたところで、


やはり根こそぎ取らねばならないだろう。





しかし、


このツルニチニチソウのツルが


可憐な花に似合わず、


しゅるしゅると抜け目なく伸びる様が


どこか人の悪意に似ているようで


なんだか怖くなる。



SNSでの


誰かに対する罵詈雑言は、


あっという間に拡散され、


善意の人にも悪意のツルを伸ばす。



善意の人が悪意のツルに巻かれて、


正義もどきの毒を吐く。



落ち着け、落ち着け。


悪意の毒に絡めとられるな。


自分に伸びてきた悪意のツルは


バッサリ刈り取ればいいのだ。



人生は長いようで短い。


悪意の根なんか育てるな。






わたしたちはいつだって


          脆くて弱い。