センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 命日


あれから1年だ。


去年のあの日は とても寒くて


まだ、雪が残っていた。



あの胸を刺すような救急車のサイレンの音


冷たい風 制服の警官たち


夜の警察署のベンチ



忘れることのない嵐のような1日。



世の中の人たちが


いちばん望まない形での死だ。



でも、もしかしたら 夫はようやく 


平穏な場所に行けたのではないかと思う。



アルコールは彼の1番の友人だったけれど


どこかで 彼は自分の生活に


嫌気がさしていた。



あの荒んだ部屋は彼の心の有りようだ。



断つことはできないけれど


1番の友人が 彼を追いつめていることも


きっと少なからず自覚していたように思う。



依存ってやつは 強敵で


意志の強さだけでは戦えない。


脳の可塑性は侮れないのだ。



今さら何を思っても


起きたことは変わらない。


時間を巻き戻すことはできない。



 もし、生まれ変わることができるのなら


 1番好きだった人と



 アルコールに依存しない日々を


 いっしょに送れるといいね。




   冥福を 心から祈る。