センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 魔が差すとき


昨日、


罪を犯した同級生のことを思い出したのは



取引のある金融機関で 


担当だった人が顧客のお金を着服したことが


発覚したからだ。



その金融機関は


前にも多額の着服をした職員がいて


大問題になった。



いくつかの支店で


そうした事案が重なったので


監査が入って かなり厳しい状況だった。




それなのに また起こってしまった。




担当だった人は


まだ若くて、小さな子どもが二人いる。



誠実そうなイケメンで


誰も彼がそんなことをするなんて


考えもしないだろう。




私の実家は現在も取引があって


しばらく担当が休んでいる、というのは


母から聞いていた。



つい先日、


支店長や他の職員が3人くらい、


兄の所にやって来て



入金伝票などを持って行ったらしい。


理由は特に言わなかったらしいが



支店長までやって来るのはただ事ではない。



そんな話を聞いていたら


次の週に 


名前こそ出なかったが 新聞に載った。



あぁ、やっぱり…




家族が弁済したので告訴はされずにすむ。



しかし


仕事は失うことになる。



こういうことは


どこでもよくある話だ。



お金を扱う仕事というのは


ふと魔が差すことがあるのかも知れない。



しかし、発覚しないわけがないのに


どうして引き返せなかったのだろう。



彼がそのお金を何に使ったのか


私は聞いてみたい。



仕事も人としての信頼も失うリスクと


天秤にかけても 必要だったものは


一体何だったのかを



ただ、聞いてみたい。