センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 ひたひたと忍び寄る



私たちが住む世界は



コロナというウィルスによって


あっという間に


社会の在りようが変わってしまった。



たかがウィルス、


と、どこかであなどっていた気がする。





新聞で


マダニが媒介する感染症の脅威について


懸念する記事を読んだ。




マダニは人や動物から吸血する。



噛まれると、


ウィルスや細菌が血中に入りこむため


感染して、重症化しやすいのだという。



このマダニからは


新種のウィルスが次々と見つかっている。




神奈川県で捕獲された外来種のアライグマを


調べたところ、



1体の体表から最大3千匹以上のマダニが


見つかったという。



また、シカやイノシシなどの生息域拡大や


頭数増加によって


マダニの生息域と共に感染症も拡大している


とみられる。




これは、怖い話ではないか?





私の住む地域では、


近年、イノシシによる被害がままある。



何年か前には


アライグマが近所に出没していた。



私も そのとき 生まれて初めて


アライグマに出くわした。



家の玄関先に 


ノラネコがよく遊びに来ていた。



ある夜、またそこにノラネコがいる。


     と思った。



でも…あれ? 少し大きすぎないか?


と、振り返ると



それは アライグマだった!



立ち上がって 私を見ている。


人間を見ても驚かないし、逃げないのだ。




ラスカルは確かにかわいいけれど


実際のアライグマは


とてもふてぶてしいのだった。




それから数日後、


そのアライグマは捕獲された。




そのとき、


アライグマは病気を持っているから


絶対に触ってはいけない、と聞いた。



記事を読んで、なるほどこういうことなのか


と、納得した。




私の住む地域は田舎だ。


だけど、


イノシシが当たり前に出てくるような、


そんなのどかな田舎ではない。




アライグマなんて


よその世界の話だと思っていたくらいだ。




こういう動物から


マダニの生息域が拡大していくのなら



やっぱり 脅威は他人事ではない。



人間も怖いけれど


マダニも ウィルスも怖い。




正しく恐れて、身を守りたいと思う。




  脅威は ひたひたと忍び寄る。