センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 判決文


何か大きな事件が起きたとき、


その裁判は注目を集める。



そして、注目が集まれば集まるほど


その判決による量刑にも賛否が寄せられる。



以前、許しがたい残虐な事件があり、


その量刑が軽かったことについて疑問を感じ


裁判の判決要旨を読んだことがある。



丁寧にそれを読んでいくと、


過去の判例に照らし合わせていたり、



動機や本人の精神面などが考慮されており、


不当に量刑が軽いわけではない、


ということが理解できた。



批判するときには


きちんと調べ、考えることも必要なのだと


その時に感じた。



だから、関心の高い裁判があったときには


その判決要旨を読むようにしている。



元陸上自衛官の五ノ井里奈さんへの


性暴力に対する福島地裁の判決が出た。



その判決要旨はとてもわかりやすく、


以前の報道からではわからなかった、


罪の重さに直結する一文が書かれている。



その一文が、そのたった一言が、この行為が


笑いを取るための余興的なものではない、


ということを表している。



これは、この事件を理解する上で


とても重要なことである。





五ノ井さんにとって


どれだけ怖かったか、嫌だったか


そして、尊厳を踏み躙られるものだったか。



おそらく、男社会の中で


こうしたことは頻繁にあったに違いない。



量刑の理由は十分に理解できる。



顔を出し、名前を出しての告発は


勇気と忍耐が必要だったに違いない。



法廷で無罪を主張する被告側に


どれだけ深く傷ついたことだろう。



彼女の勇気と正義は


暇を持て余した、屈折した輩に


誹謗中傷という形で踏み躙られる。



それでも、ひるむことなく闘い続ける彼女は


誰よりも凛々しく、カッコいい。



こういう人が、社会を変えていく。


大きな力を持たなくても変えていける、と


教えてくれている。




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