センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 カオスの行方


相変わらずカオスである。


子どものいる現場のカオスは


もう、嫌というほど見てきたけれど。




子どもは日々、進化する。


進化は良い方向もあるが、悪い方向もある。



借りてきた猫のようにおとなしかった子も


今では、立派なお猿軍団の一員である。



子どもは片付けができないものだが


この施設は本当に酷い。



トランプは3セットもあるのに


一つもカードが揃わない。



オセロは 日々チップが減っていく。


お人形は裸のまま無造作に放り出され


まるで死体のようで、ぞっとする。



ありとあらゆるものが混在している。


おもちゃ箱の中までカオスなのである。



発達障害の子どもが二人いる、ということは


聞いていたけれど、



申告されていない子どもが


さらに二人はいる。



そして、さらに 今まであまり目立たない、


ごく普通だった男の子が


強度の癇癪持ちであることがわかる。



遊びの中でのトラブルから癇癪をおこし


泣き叫んで自分の顔や体を引っ掻くのだ。



血が出るほどのものすごい力である。


パニック状態の子どもの両手をつかみ、


ひたすら落ち着くのを待つ。



しばらくして、お茶を飲ませると


自傷行為は収まった。



スタッフは皆、驚いて引いてしまい、


私は汗だくである。



子どもたちを預かる現場は


日々、緊張を強いられる。






施設は、子どもの獲得に必死である。


保護者受けのいいように


学習サービスのてんこ盛りだ。



面積に対して多過ぎる人数を受け入れ


見守る人はいつも足りない。



そんな状況で 


実になる学習などできるわけがない。



ハッと気づくと多くの子どもたちを


ひとりで見ていることがあり


時々、怖くなる。



福祉とか教育とかに利益が結びつくと


ろくなことがない。


容量オーバーは日常茶飯事だ。



現場は疲弊していく。


まるでベルトコンベアーに乗ってるみたいに


止まらないリズムの中で進んでいく。



子どもの未来を守るんだよね?


お金を使うべきところ、わかってる?



わかってない人間が


子どもの未来を語るから



ベルトコンベアーは止まらないんだよ。



カオスの行方を決めるのは 誰?