センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

鬼の子の幸せ




以前、


この広告を新聞で見たときの


インパクトの大きさは


何年経っても、変わらない。



これは、2013年の


「新聞広告クリエイティブコンテスト」の


最優秀作品だ。




私は


この言葉のインパクトに圧倒されていたが、


もっと驚いたのは、


この賞のテーマが、


「幸せ」  だったことだ。




めでたし、めでたし


で、おわる昔話が、


視点を変えると、こんなにも残酷で


悲しい話になってしまうなんて


一度だって考えたことがなかった。





日本に原爆を投下した軍人は


アメリカではヒーローで



どこの国での戦いも


「勝利宣言」の裏で


たくさんの無辜の命が犠牲になった。



たくさんの忘れられた命にも


ひとりひとり、大事な人生があった。



それは遠い日の出来事ではなく


今日もどこかで失われる、



「鬼の子の幸せ」なのだ。




日々の小さな諍いも


国を揺るがす大きな争いも



その根っこは同じなのではないか。



鬼の子の幸せは


誰にも考えてもらえない。



けれども



自分の傷が辛いときは


誰かの痛みも心に置きたい。




「やり返したら、その子も痛いよ。」



      鬼の子だって



      痛いのだ。