センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 寒波


先週末からずっと祈っていた。


「どうか雪が積もりませんように」



あまり積雪のない地域に住んでいるが


それでも昨年末の雪はかなり積もった。



雪に慣れない地域なので


積雪のある朝は救急車やパトカーの音が


辺りに響き渡る。



歩道橋は最悪だ。


新雪のうちはいいが、踏み固められると


ツルツルすべる。



やがて晴れても なかなか溶けないのが


歩道橋なのである。


転倒しないようにと緊張しながら歩く。




亡くなった父が大雪で転倒し


頭を骨折して重体になったのも1月だった。



手術して 意識のない状態にして


低体温療法を行なった。



命が助かるかわからないし


助かっても障害が残るだろうと言われ



暗い気持ちのまま、


父の着替えを取りに実家に向かった。



実家に着くと 門の前に点々と散らばる血が


目に入って ドキッとした。



しかし、それは血ではなく


庭の椿の花が散って落ちた花びらだった。



雪の上に散らばる真っ赤な椿の花びらは


そのコントラストが鮮明で



父が転んだ場所は別の所だったのに


私の頭の中で結びついてしまったのだった。




今朝はいつもより早く起き


外を確認したけれど、積雪はなく


ほっと胸を撫で下ろした。



雪の多い地域の方は大変だと思う。


どうか お怪我のありませんように。