センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 ネイビー&ホワイト



我が家の外壁はネイビーだ。


そこに配色で白が入っている。



この配色が私の好みだったので


最初からこの配色1択だった。




この家の建築工事は遅れに遅れた。




契約したのが 消費税が上がる直前で


工務店も なんとか契約を取りたかったので



たぶん、無理をして工事を詰め込んだのだ。



ようやく 工事が軌道に乗った頃


大きなミスが発覚した。



始まったばかりの外壁工事だったが


その外壁の色が違うのだ。



配色が白のはずなのに


ベージュになっている。



あわてて 担当者に電話したが繋がらず


別の人に確認してもらった。



実は 工事に関する最終確認のとき


外壁の色が違う図面を見せられたので



きちんと訂正したのだった。



まさに その違う色の外壁になっていた。


ありえないಠ﹏ಠ



大騒動になった。



担当者は なんでもかんでもタブレットや


スマホで管理していて



あまりスケジュール管理が得意でないのに


多くの工事を引き受けていたので



うっかりミスを連発していたのだった。



外壁は 発注から日にちが経っていたので


もうキャンセルはできなかった。



配色の色だけでなく 


配色の配分も逆で間違っていたので



その外壁セットは


丸ごと役に立たず 返品も不可能だった。




私は悩んだ。



一部とは言え、外壁を交換すれば


さらに工期が延びる。



工務店からも この外壁でお願いしたいと


頭を下げられた。



返品できない外壁は


工務店にとって 大きな損失になる。



私は 悩みつつ 腹が立った。



こんな凡ミスはあり得ない。


けれど小さな工務店に損をさせたくはない。



このベージュの配色でいこうと諦めた。



しかし、家族が大反対だった。



こちらのミスでもないのに


大事な外壁の色を諦めるのはおかしい、と。




そうして結局、


工務店が損失を受け入れることになった。




私は くやしくて、残念でならなかった。




確認を怠る、というつまらないミスのために


工務店が多大な損失を負う。


工期もさらに遅れる。



良い家が建ち 工務店も利益が出て


お互いに ハッピーエンドにしたかった。



あのときの苦い気持ちは忘れられない。



その後も 工期は遅れ続け


担当者は嘘に嘘を重ねて



さらに深刻な事態になったのだけれど。



9月に完成予定だった家は


年末にやっと引き渡しとなり



私たちは 大晦日に


まるで夜逃げのようにಥ‿ಥ



慌ただしく引っ越しをしたのだった。




そんなことを思い出しつつ



それでもやっぱり


この外壁の色で良かった、



と、我が家を見上げて


今は心から思うのである。