センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 「寒気がする」


「なぜ諦めたのか。」


と、選手に問いかけることが


そんなに冷酷なことなんだろうか。



組織のトップに


世界中に配信される公のコメントで


「寒気がする」とまで


言われなければいけないことなんだろうか。



 あの状況において


 まだ15歳の少女に


 あんなことを言うなんて



と、メディアはこぞって叩くけれど。






ドーピング問題で


彼女が渦中の人でなかったら


それでも 冷酷だと言われたんだろうか。



ロシアのドーピングの問題は国の問題だ。


スポーツ全般の問題でもあるし


オリンピックの組織としての問題でもある。



競技が終わったあとで


後出しジャンケンみたいに


個人の責任で決着をつけようなんて



それこそ 寒気がする話だ。



15歳の少女を全力で守れなかったのは


国であれ 組織であれ


利権で動いた大人全体の責任だ。


周囲の大人だけの問題ではない。





あの状況下での試合では


オリンピック前と同じモチベーションでは


挑めない。


無意識に どこかでブレーキがかかっていた


としたら、


それは あたりまえのことなのだ。


まだ、たった15歳なのだから。



それでも



指導者だったら


諦めずに全力を尽くして欲しい


と、願うはずだ。



そのオリンピックに向かうまでの


厳しいトレーニングを


本人の努力や向上心を


1番間近で見ているのだ。






メダルのために ドーピングをさせたのなら


その責任は取らなければいけない。


当然のことだ。



選手の身体も心も


きちんと守られるように改善するべきだ。



けれど



なんでもかんでも そこに盛って


そこだけ切り取って


一部の人間だけを非難することが


問題の解決に結びつくのか?




ドーピングの問題と組織の対応は


その責任を追求されねばならない。


トップとて同じだ。



だから 全てを ミックスしてしまって


メディアの論調に迎合して


個人の責任にすり替えるような発言は



   「寒気がする」