センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 惰力で走る



毎日があっという間に過ぎる。



この土日は もう休もう、という


次男の提案で ぼんやりと過ごしている。







今週は住民票を取りに行ったり


戸籍謄本を請求したり


借入金の有無を調べたり



そんな事務的な手続きと




夫の部屋を掃除に行かねばならない。



バス、トイレ、キッチンの掃除は


遺品整理と共にお願いしたが



フローリングなどの清掃は 


もし、こちらでやったとしても



再度の清掃が必要になるかも知れないし


リフォームになるかも知れないので



また、そこで費用がかかってしまうから、と


その会社の人に言われたのだった。




ざっと掃除はしてもらったのだが


もう何年も磨いていない床だ。



簡単にはきれいにならない。




今日は


洗剤や掃除道具を買い込んで



準備は万端だ。




そうして


やるべきことをリストアップして



粛々と進めていく。







緩やかな坂道を



アクセルもブレーキも踏むことなく



ただ惰力で下りていくような



そんな感じだ。




それくらいでちょうどいい。




もう無駄に恐れたり 悩んだり



落ち込んだりするのはやめた。




負うべき責めは負わねばならないし



守るべきものは守らねばならないし







生きていくのは 本当に大変だ。




それでも




この日々は この先のどこかの点に



必ず繋がっている。




これまでの あの点やこの点が



今日のこの点に繋がっているように



また 新たな線ができていく。




  だから




  今は 惰力で走る。