センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 覚悟


買ったまま、本棚に放置されていた本を


そっと取り出し、ページをめくる。



その本には、とてもわかりやすく


この国の覚悟について書かれている。



まえがきで、著者の井上ひさしさんは


こんなことを書いている。



 「二度と武器では戦わない。


  これは途方もない生き方ではないか。


  勇気のいる生き方ではないか。


  日本刀をかざして敵陣へ切り込むより


  もっとずっと雄々しい生き方ではない


  か。


  度胸もいるし、知恵もいるし、


  とてもむずかしい生き方ではないか。」




けれども、私たちの国は


そういう生き方を選ぶと宣言した。



そういう覚悟を持って生きると宣言した。


それが正しい国のかたちだと宣言した。



それは、なんと誇らしいことだろう、と


井上ひさしさんは伝えているのだ。



日本国憲法の前文を


井上さんはこんなふうに易しく伝える。



「この国の生き方を決める力は


 私たち国民だけにある



 そのことをいま 世界に向けて


 はっきりと言い 


 この国の大切なかたちを 


 憲法にまとめることにする




「私たちは代わりの人たちに


 国を治めさせることにした



 その人たちに力があるのは


 私たちが任せたからであり



 その人たちがつくりだした値打ちは


 私たちのものである」



つまり、それが国民主権だということ。



この一文は、私たちが最も胸に刻むべき、


大切なことだ。



この尊い平和憲法を


切り刻んで、ないがしろにするような、


そんな政権にはNoと言おう。



主は私たち国民なのだ。



私たちは、他の国々の主人にもならず、


家来にもならない。


戦わない、と決めたのだ。




その覚悟こそが尊い。


その覚悟こそが美しい。



もう二度と 誰も戦地には送らない。


もう二度と 誰も踏みつけたりはしない。



その誓いを守り抜くことが


私たちの覚悟。