センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 魔が差す


人間には そういうときがあると思う。


大人であれ、子どもであれ…



子どもを預かる施設で


モノが失くなる、ということはよくある。



モノの管理ができない子は多い。


片付けもできないのだから、仕方ない。



しかし、部屋の中で失くしたものなら


最終的には出てくるはずなのである。



子どもを預かる施設あるあるなのだが


おしゃれな文房具とか 


長期休み中に持って来るおもちゃとか



消えてしまって出てこないことがある。


魔が差す瞬間がある、ということだ。



これは、対応がとても難しい。



カード類、特にポケモンカードなどは


レアカードが突然消えたりする。



だから、


こうしたカードは禁止にする所が多い。



この夏休みもその魔が差す時が訪れた。



おもちゃが消えた。


ポケモンカードが消えた。



おそらく1枚だけではない。



失くした子どもの親から連絡が入り


問題になった。



魔が差すことはある。


けれど、それを放置してはいけない。



魔が差した子どもに


それはいけないことだと教えなければ


その子どものためにならない。



このものすごくセンシティブな問題に


魔が差した子どもの親は


どう対応すべきなのか。



残念なことに その親は


その事実を受け止めきれず 激怒した。



子どもにではなく、施設に対してである。


おそらく、もう退会することになるだろう。



そういう終わり方が1番残念である。


誰のためにもならない。



そして、その当事者である子どもはと言えば


ニコニコとまるで他人事のようなのである。



親の対応が間違っているとしか思えない。



魔が差す。



大人であれ、子どもであれ、


そういう瞬間は訪れる。



仮に誰にもバレなかったとしても


自分自身は知っているのだ、その事実を。



その子どもを気の毒だと思う。



これから先ずっと


そういう自分で生きていかねばならない。



魔が差した自分、誤魔化した自分を


ずっと心に秘めて生きなければならない。



なんだか


モヤモヤと気持ちが泡立つ出来事である。