センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 マイブーム


時々、マイブームがやって来る。



あるときは、漆器がマイブームだった。


特に明治とか大正に作られた漆器。



ハレの日にしか使わない、吸物椀とか皿とか


大事に保管されていた物は


年を重ねても、とても美しい。



骨董市に出かけて、


とても美しいお皿に出会えた時は嬉しくて


あるもの全部を買い占めてきた。



輪島塗の吸物椀を見つけた時も


地下鉄や電車を乗り継いで帰るというのに


木箱に入った10人分の椀を持ち帰った。





日本の手仕事は素晴らしい!と目覚めて


次にやって来たマイブームは和服だ。



中古の大島紬とか、


素敵な刺繍の帯とかを買って


洋服やバックに仕立ててもらった。



漆器もそれらの服や鞄も、


まだ、大切にしている。



今のマイブームは陶磁器だ。



日本の名窯、鍋島藩窯のティーカップとか


西洋の名窯のティーカップ等など…



趣味で陶芸教室に通うようになって


手びねりで抹茶茶碗を作ったり


お皿に絵付けをするようになって



名窯と言われる窯の品物を手に取りたい、


と思うようになった。好奇心故に、である。



断捨離はどうした?という話なのだが


時々やって来るマイブームに私は抗えない。



モノは増え続ける。


でも、見たいモノを見たい。手に取りたい。



種からいちご、とか


種からパプリカ、とか


大人の自由研究も増え続ける。



断捨離、断捨離…


呪文のようにつぶやいてはみるけれど



きっと このマイブームが


日々のストレスを緩和してくれる。



これが自分のバランスを整えてくれるのなら


これはこれで必要なのだ。



何のかんのと言い訳をしながら


お気に入りのティーカップで


サマハンを飲み干す私なのである。