センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 ニットの冬


昔、アパレル関連の仕事をしていた。


展示会に行ったりして、仕入れもしていた。



だから、今でも洋服は気になる。



前に、ちょっと若い人向けのお店で


アウトレットセールがあった。



素敵なデザインがたくさんあって


好みのデザインのニットを見つけた。



前開きのケープのようなカーディガンで


黒のニットにリアルファーのトリミング。



もともとの定価はかなり高かったけれど


アウトレット価格なので安くなっている。



おそろいのベストもあって


かなり心惹かれた。



でもなぁ…



デザインはどストライクなのだけれど


品質に不安があった。



ニットが、どう見ても質が悪い。


アウトレットだから、どうしても


展示や保管によるヨレや毛玉ができる。



品質表示を見ると、やはり化繊が多く、


着ているうちに、みすぼらしくなりそうだ。



それでも、どストライクのデザインは


どうしても捨てがたく、


カーディガンだけ買うことにした。



納得して買ったものだったし、


それなりに着たけれど



懸念のニット地は、あっという間に


毛玉だらけでみすぼらしくなり、


リアルファーはブチブチと切れてしまった。



やっぱりなぁ…



人気のあるブランドのようだったけれど


定価では絶対に買わないな、と思った。







ニット大好きな私は、


ニットが着られるだけで冬が嬉しい。



年齢も年齢なので、


ニットは品質第一に買うことにした。



今は、アルパカでざっくり編んだセーターが


お気に入りである。



人の手で編まれたニットは


それだけで暖かい。



もう、十分に持っているというのに


純毛の暖かなニットを見ると


買わずにはいられない私なのである。




Kiroro 「冬のうた」 Official Music Video