センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 勝ちとか負けとか


人生は勝ち負けじゃない。



何が勝ちで、何が負けかなんてわからない。


勝ち組は本当に勝ち組なのか?


負け組は本当に負け組なのか?



母方の叔父が亡くなったとき、


叔父の人生を「可哀想に」と言った人がいて


それを母から聞いた時、無性に腹が立った。



叔父は、


有名企業の重役になった兄や教師の弟、


金融機関の支店長になった弟がいる中で



特に目立つ特性もなく、家業を継いだ。


日々、忙しく働いた。



おとなしくて、自己主張をしない人で


個性的な親兄弟の中で常に目立たなかった。



晩年はパーキンソン病を患い、


闘病中に突然倒れて亡くなった。



人から見たら、地味で冴えない人生で


「可哀想」に見えたのかも知れない。



しかし、叔父は子煩悩で、家族を大切にして


ありきたりな日々を幸せに生きていた。



立派な地位に就いていても


金銭的に恵まれていても



叔父の「足るを知る」人生に


口出しするほど偉くもないだろう。





世の中には、こんなふうに


人の人生を簡単にジャッジする輩がいる。



勝った、負けた、と騒ぐけれど



私たちが天に召される時、


お金も地位も何ひとつ持ってはいけない。



身ひとつで生まれ、身ひとつで旅立つ。


なんて潔く、シンプルなんだろう。



人生は勝ち負けじゃない。



そこにこだわらないことが


幸せに生きる道なんじゃないかと



シニアにしてひよっこの私は思うのである。