センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

先生だって間違える

小学校で発達障害の子をサポートする、


支援員として3年ほど勤めたことがある。



体力的にもなかなかきついが、


何より精神的にタフでないと


務まらない職場だ。



学校は時間外労働がものすごく多い、


ブラックな職場と言われるが


聞いていた以上に、


先生たちは忙しかった。



私はもともと、食べることが早い方だが


先生たちにはかなわない。


給食を飲み込んでいるのかと思うくらい、


とても早い。



子供たちがまだ食べている間に


宿題の丸付けをしたり、


連絡帳のチェックをしたり…



その間にもおかずをぶちまける子やら


喧嘩をする子やら…






そして、何より大変なのが保護者対応だ。



初めて職員室の席についたとき、


周りの先生たちは怒っていた。


家庭訪問の希望日を


予め保護者から提出してもらっていたが


ようやく、全員分がまとまり、


保護者に知らせたところ、


何人もの保護者が


都合が悪い、変更希望だと伝えて来たのだ。



そりゃあ怒るだろう。



なんのために希望日を出してもらったんだ?



信じられない、常識がない、


と口々に毒を吐く先生たちに



エライトコロニキテシマッタ



と私は内心青ざめていた。






学校を忙しくしている一因は


こうした非常識な保護者にもある。



幼児か?あなたは幼児なのか?


という保護者がわりといる。



ベテランの先生が、毒を吐きながら


 でも、


 ああいう保護者を教育したのは


 私たちなのよね。


    と苦笑いしていた。




先生たちも、


なかなかのプライドの高さなのだが、


わりと間違えたことを教えていたりする。



ある先生が、後の黒板に予定を書いていた。


一瞬、手が止まったが、


そのまま最後まで書き終わった。



あらら…


片付けという言葉が


かたずけ になっている。


いや、かたをつけるんだから


かたづけ でしょう?


心の中ではツッコミを入れるが


支援員ごときが



  言えない、言えない。






1年生が漢字の復習をしていたとき


「十回」という字の


読み仮名を問う問題があった。


答え合わせのとき、


若くて優秀だと評判の先生は


「じゅっかいだよ。」と言った。


「じっかいじゃないからね!」


と、わざわざ付け加えた。



1年後、別の先生が私に尋ねた。


「十回の読み仮名はじゅっかいですよね?」



  支援員に聞いてどうする!


  わからなかったら調べなさい!


と、心の中でツッコミを入れたが



支援員ごときが



  言えない、言えない。




今どきは


「じゅっかい」でも間違いではないらしいが


正しくは「じっかい」だ。


中森明菜の「十戒」も


「じっかい」なのだよ、先生。



皆さまのNHK のアナウンサーは


正しく「じっかい」と言っているらしい。



日本語には、聞き間違いや言い間違いが


そのまま定着した言葉も多いので


そのうちに「じゅっかい」が


スタンダードになるかも知れない。





保護者の皆さま、


先生の仕事は教育だ。


教えることが疎かにならぬよう


モンスターは辞めましょう。