微笑ましく衰えて
若い頃、近所のおばさま方が
「足が冷えて冷えて…」と話すのを聞いて、
足が冷えるってどういうこと?と思ってた。
寒いのなら、タイツを履くとかすれば?
と不思議だった。
今になってよくわかる。
足が冷えるって、こういうことなんだ。
タイツを履こうが、レギンスを履こうが
足は冷える。
モコモコのブーツを履いたって冷える。
なんと言えばいいんだろう?
内側から冷えている、と言うか
もう足そのものが冷えた物体なのだ。
筋肉が衰えるから冷えるのだと思うけれど、
それでも毎日、結構な距離を歩いている。
レギンスに厚手の靴下で防寒しても、
冷えた物体が温まることはない。
う〜ん…これはすごく不思議な感覚だ。
体の中から冷たいと感じる。
熱いお湯で溶かさなくちゃ、みたいな感じ。
歳を取るって、なかなかすごいことだな。
人生の先輩たちの嘆きを追体験している。
あぁ、これね。これなのね。
私もついにこの場所に来たのね。
冷えがつらいとか関節が痛いとか…
皮膚が敏感になるとか目がかすむとか…
もう、それは立派に老いていく。
順調な進み具合である。
もう、そうじゃなかった昔には戻れない。
そうだ、戻れないんだ。
と、あたりまえのことに気づく。
なんだか可笑しい。
そうした衰えが、なんだか笑える。
人並みに老いることができている、
という現実が微笑ましい。
よし、合格!
この気づきが成長の証である。
微笑ましく衰えて、微笑ましく歳を取る。
悪くない。
明日はどんな1日が待っているだろう。

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