センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

「てんごく」



この絵本を


いつ買ったのか 何故買ったのか


覚えていない。




これは、主人公のリリーと犬のディルの


お別れのお話だ。




旅立ちの日、


ディルはスーツケースに荷物を詰めて


「およばれだものと、歩き始める。






いっしょに行きたいリリーだが、


ついてはいけないことを知り


「てんごく」がどんな所なのかを


想像しながら、ディルと話す。



このやり取りが、コミカルで、可愛くて


「死」という重いテーマが


ふんわりと心に着地する。



それでも




こんな切なさは


きっと誰もが経験したことがあるだろう。





今日、


老猫は旅立った。



彼女はもう


とっくにスーツケースを用意して


私の覚悟を待ってくれた。



痛みや苦しみから開放されて


やっと旅立つことができたのだ。


こんな明るい晴れた日に。






明日からは


彼女のいない毎日を歩き出す。