センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

彼の憂鬱 私の憂鬱

今朝もまた彼は深いため息をつく。


ブルーマンデイの朝、


私はその深いため息に溺れそうになる。






ため息の主は長男だ。


彼は先週からずっとため息をついている。



コロナ禍の影響は、


彼の仕事にも少なからず影響を与え、


緊急事態宣言で止まっていた仕事が


今にずれ込み、どう頑張っても


通常勤務では追いつかない。


その結果、


今週から夜勤が始まることになったのだ。



もともと、変化が苦手な彼にとって


夜勤はかなりハードルが高い。


それに加え、工程も変更され、


目が回るような忙しさなのだと言う。



彼の繰り返されるため息は


私をも酸欠状態にし、


憂鬱の波に引きずり込むのだ。





「大丈夫、大丈夫!」


と励まして、



外に出れば雨が振り出し、



実家に着いて、扉を開けると


さらなる憂鬱が私を襲う。





    「うわぁーー!




目の前で小さなねずみが死んでいる。


あいつだ。


やったのはコタロウだ。






猫というのは、どうして捕まえた獲物を


人間に見せたがるのだろう?


何も人の通り道に置かなくてもいい。



ねずみを捕まえて、楽しく遊んだらしい彼は


「あとはよろしく!」


とばかりに外に飛び出して行く。



   後片付けはどうした!!!



猫に言っても仕方ない。


うんざりしながら片付ける。




こんなふうにブルーマンデイの朝は始まり、


彼の憂鬱と私の憂鬱、


それぞれの憂鬱を噛み締めながら


1日の無事をとりあえず祈るのだ。