センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

優しさのおすそ分け

ある学校の学校だよりを見せてもらった。


校長先生が書かれたそのおたよりには


コーヒーショップに行ったときのことが


書かれていた。







そこで運ばれてきたコーヒーには、


メッセージが添えられていた。


「このコーヒーはチョコとの相性が抜郡です。」


     ん?




そう。抜群の群の字が郡になっているのだ。


校長先生は教育の場に身を置く者として


この誤字が気になった。


しかし、


気にはなったけれども、訂正できなかった。



きっと帰る道中、モヤモヤと頭を離れず、


どうすれば相手を傷つけることなく、


正しい字を教えることができるのか…


と繰り返し考えられたのだろう。




このことを職員室で話題にすると、


いろいろなアイデアが集まった。


それらは全て


相手を傷つけないことを優先にした、


温かいアイデアばかりだった。



コーヒーにメッセージを添えてくれた優しさ、


その気持ちを傷つけまいとする優しさ、


そして、アイデアを共有する優しさ。



校長先生は、このちょっとした出来事が、


人の温かさに改めて気付くきっかけになり


きっと、とても嬉しかったのだ。



私は、おたよりに載っていたこの写真に


ほっこりして、なんだか笑顔になった。




人には、見たくない嫌な面もあるけれど


こんな素敵な面もあって


世の中、なかなか悪くない、と思うのだ。




1枚のおたよりに、優しさのおすそ分けをもらって


また、新しい1週間を大事に過ごして行こう。