センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 謙虚であれ


一昨日から仕事に復帰している。



無理せずボチボチやろうと思っていたが


そんな悠長な職場ではなく


いきなりギア全開である。



私が休んでいる間に代打に入った79歳さんは


週4で働く!と張り切っていたのに


もう週3にしたいと主張する。



いや、待って、待って。


週4で大丈夫だと面接で言ったんだよね?


採用されて感謝してたんだよね?



雇用の条件を雇用された途端に


ひっくり返すのはまずい。



任された仕事もそんなに大変でもないのに


できない、無理!と主張する。



そんなに自分に都合良くは働けない。


雇う側だって、お金のかかることなのだ。



実は、私はこの人の前に、もうひとり


前の職場の同僚を勤務先に紹介している。



事務仕事が得意な男性なのだが、


何らかの理由で退職すると言う。



60代後半なので、すんなりと望む仕事に


就けるとも思えず、惜しい。



事務仕事が苦手なオーナーの助けになる、


と考えたので、紹介したのだった。



とんとん拍子で話は進み、


いきなりチーフとして採用された。


オーナーも喜び、万々歳だ。



しかし、仕事に復帰してみると、


子どもの保育部屋が大きく変えられ、


おやつの時間も変更する、という。



チーフとなったその人の提案だった。



提案自体は悪くない。


この施設は改善が必要なのだ。



しかし、そのやり方が問題だった。


誰の意見も聞かず、自分のやり方で


どんどん変えてしまう。



これでは、お局様が納得しない。


いや、他のスタッフも付いていけない。



自分の経験から、これがベストだと感じても


職場はひとつのチームなのだ。



後から入った人が、独断で進めてしまったら


他の人がやりにくくなってしまう。



あ〜、めんどくさい。


お局様の愚痴やため息が聞こえるようだ。



経験や資格は貴重だ。


しかし、使い方を間違えると孤立する。



年齢を重ねたら、謙虚さは大事である。


主張する79歳と68歳に私は頭を抱えている。



異分子が馴染むためには


努力と忍耐も必要なのだ。



謙虚であれ、謙虚であれ。


呪文のように自分自身につぶやくのだった。