センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 脱サイレントマジョリティ


一人の兵士が仰向けに横たわる。


「まさか こんなふうに 死ぬなんて」




兵士になりたいと思ったことも


「戦争反対!」と叫んだこともない、



どこにでもいる、普通の人が


つぶやくのだ。



「まさか こんなふうに 死ぬなんて」





この本は問う。



これが


「きみの 未来だとしたら?」



ごく普通に生きている、


きみの「まさか」の未来だとしたら?






不穏な今の世の中で


モヤモヤとした空気のこの世の中で



黙ってるその他大勢でいるのは


もう、やめようよ、と語りかけているのだ。



その空気が やがて望まぬ道への


一歩になり、「まさかの未来」になる。




私がいちばん共感したのは次の言葉だ。




「人間が 集まって生きるのは


 その方が 生き延びられる確率が


 高かったからだ。」


「なのに 集まってできた国のために


 戦って死ななきゃならなくなるなんて


 おかしなことは もうやめよう」




国は何のためにある?


国民のためだ。



その国民が 


「まさか こんなふうに 死ぬなんて」


という未来にさらされるなら



今、言わなくちゃ。



戦争なんかしたくない。


戦争なんかで死にたくない。



国民を守るため、って言いながら


国民を危険にさらすのは おかしいだろう?



敵とか味方とか、正義とか欺瞞とか


誰がジャッジするの?



誰も 神さまなんかになれないんだよ。



想像しよう。



冷たい地面に横たわり


最期に見る空の色を。



「まさか こんなふうに 死ぬなんて」



それが 大切な家族で 大切な友人で


大切な自分自身であることを。



まだ、間に合うよ。



私たちはもう、


サイレントマジョリティではいられない。



平和を守るって 誓ったんだから。


もう、まちがえちゃダメなんだから。