センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 いつかきっと後悔する


就活を本格的に始めるため


履歴書用の写真を焼き増しに出かけた。



車で行けば10分ほどで行けるのに


気持ちが病んでいる私は



歩いて疲れることが大事な気がして


ひたすら歩き続けた。




到着した写真店では


七五三参り後の家族が撮影中だった。



30代の夫婦と小さな女の子、赤ちゃん、


そして夫婦双方のご両親。



主役の女の子は千歳飴を持って


着物を着て緊張している。



みんなに愛されていることが伝わる、


ほのぼのとした光景だ。



その撮影中に


女の子の父親が 自分の母親に対して


随分とぞんざいな口の聞き方をしていた。



母親がトイレに行きたかったらしく


「早く行ってこい!鬱陶しい!」と


本当に鬱陶しそうに言い放ったのである。



パリッとスーツを着て 


なかなかのイケメンである。



でも、その一言になんだか胸がざわついた。



大人しく優しげな母親にとって


きっと自慢の息子なのだろうけれど



その言い方が おめでたい空気の中で


なんだか異質な気がした。



亡くなった夫も両親に対して


あんな言い方をしていたな、と思い出した。



どんな言われ方をしても、ただ笑っていたが


親だって傷つかないわけじゃない。



親に対して、


人前でもこんな言い方をする人は要注意だ。



ものすごくわがままで自己中で


人の痛みに鈍感である可能性がある。



何でも笑って許されるからって


そんな態度をあたりまえにしていたら



いつかきっと後悔する。



身近にいる人を大切にしなくて


何を大切にするの?