センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 今日もがんばれ



毎朝、車で走り出すと 交差点の近くで 


通学途中の男の子を見かける。



通学班で登校するのが決まりのはずだが


何故かいつもひとりで通学している。



体格のいい子だが、4年生くらいだろうか。



その子の後姿を見ていると その背中で


ランドセルからぶら下がったナフキン袋が



右に左に リズミカルに揺れる。



その規則正しく揺れるナフキン袋が


なんだか可笑しくて ほっこりする。






やがて 横断歩道に近づくと


別の通学班の子どもたちがやって来る。



何人かの ボランティアの交通当番さんが


「おはよう!」「いってらっしゃい!」


と笑顔で子どもたちを送り出す。




ありふれた、日常の光景だが


眩しくて、幸せな光景だ。




地域の人たちに守られて


子どもたちは安全に登校して行く。



子どもたちだって



「あ〜あ、今日は6時間授業だ、最悪!」とか


「やっべぇ、習字道具忘れた!」とか



ちょいとブルーなこともある。




それでも、


あのナフキン袋みたいに


右に左にゆらゆら揺れながら



実はとても幸せな子どもの日々を


生きているのだ。




爆撃音で目覚めることもなく


家族が離れ離れになることもなく




今日もお日さまに照らされて


守られながら歩いて行ける。




  どうってことないよ。


  君たちの悩みは 青空に放り投げたら 


  ちっちゃいもんさ。



    今日もがんばれ。