センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 欲しい物は自分で買う


子供の時から


欲しい物は お年玉を貯めて買う、という


育ち方をしてきた。



だから


欲しい物は 何でも自分で買う。



贈り物をする側とされる側であれば


断然、贈る側が好きだ。



何がいいかと 悩む時間が楽しい。


喜んでもらえると それだけで嬉しい。






夫からの最後の誕生日プレゼントは


スリッパだった。15年以上前のことだ。



そのスリッパは


普通にスーパーで売ってるようなスリッパで



しかも 夫の分と2足だった。



これは…


誕生日プレゼントと言うんだろうか?




スリッパが悪いわけじゃない。



だけど、


普通にレジ袋に入った2足のスリッパは


どう見たって ただの生活用品だった。



めんどくさかったんだろうな。



そして、私はもう


彼にとっては わざわざ特別な贈り物を


贈る存在ではなくなったんだな、と思った。






その次の年からは


誕生日プレゼントはいらない、と言った。



面倒がられて、雑なプレゼントをもらうより


いっそ何もない方がいい。




本当に欲しい物は自分で買う。



けれど


今、欲しい物は何だろう?


と考えると 何も思い浮かばない。




それはそれで残念だ。




犬が飼いたい、とは思うけれど


買いたいものではない。



次男から送られたカタログギフトを見ても


どうにも決めかねている私なのだ。