シニアの前足
ゴミ収集日に慌てて転んだシニア初心者は
その日、またもや失敗を重ねることになる。
あまりにバカな失敗で、
思い切り転んだくらい恥ずかしい。
自分の傷に塩を塗るようだけれど、
自分への戒めとして書き残そうと思う。
あの時、ゴミを出すのを忘れるくらい、
私はスマホの画面に見入っていた。
いつものように、軽い気持ちで
インスタグラムを見ていた。
そこに、ある閉店セールの広告が流れた。
銀座ブティックという名前の店舗で
15年営業してきたけれど、閉店するという。
店舗の前にオーナーらしき2人の男女が
にこやかに立っている写真がトップページで
なるほど銀座らしい店構えである。
価格帯はそこそこ値の張るものばかりで、
セール価格でも高めの値段だった。
本日終了と書かれたセールは
ご丁寧に残り時間まで教えてくれる。
なかなか素敵なデザインのブラウスを見つけ
残りわずかの文字に急かされるようにして
2枚購入したのだった。
日本に実在する店舗だと
これっぽっちも疑わなかった。
購入後、それでも念のためにと
ストアのキャンセルポリシーを見た。
それを見て、しまった!と思った。
キャンセルポリシーが
全文英語だったのである。
日本の店舗が、全て日本語で書いているのに
キャンセルポリシーだけ英語なんて
ありえない。
やらかしたな、と思った。
慌てて店舗を検索してみるが、
銀座ブティックなんて店舗は存在しない。
キャンセルポリシーには、24時間以内なら
キャンセル可能と書いてある。
それくらいの英語は理解できる。
しかし、よくよく調べても
この店舗の住所も電話番号も書いてない。
URLさえ記載がないのだ。
日本の特定商取引法で決められている、
義務表示がないのである。
書かれているのはメールアドレスのみ。
しかも、そこにアクセスすると、
店舗のトップ画面に行ってしまうのだ。
それでもなんとかそのアドレスに
キャンセル希望のメールを送信した。
そこまでが購入してから30分ほどのことだ。
しかし、返信は来ない。当然かも知れない。
そして注文受付のメールが来た。
そこに、返信する形でも送信した。
キャンセル希望、と。
御社のキャンセルポリシーにのっとって
24時間以内にキャンセルしています。
と英語でも返信した。
24時間以内に4回の送信をした。
それに対する返信がないまま、
発送しました、のメールが届く。
これは、もう無理かも知れない。
それでも発送履歴を確認すると、
それは案の定、中国からの発送で
ラストマイルはヤマト運輸になっている。
とりあえず、ヤマト運輸には
詐欺サイトでキャンセルがスルーされたので
受取拒否をしたい旨を送信した。
その間、消費生活センターにも相談した。
相談員の友人にも相談してみた。
しかし、解決への道は遠いことがわかる。
連絡先がわからない詐欺サイトでは
どうしようもないということだろう。
錯誤による購入とは言え、
騙されたこちらに非がある。
勉強代だと思って諦めるか。
時間ももったいないし。
と、一度は思ったのだけれど、
転んだまま泣いているのは嫌である。
勉強だと思って、やれるだけやってみよう。
それでだめなら、それが私の学習結果だ。
というわけで、
前向きに失敗の後始末に追われている。
シニアの前足はつまづきやすい。
これが今回、私が学習したことだ。
この学習結果が出るのは、
まだまだ先になりそうだけれど、
投げ出さないで頑張ろうと思う。
私のような粗忽な失敗をしないように
ひとつの注意喚起になれば幸いである。



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