センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 ホワイトクリスマス


朝起きたら、真っ白だった。



新雪をサクサクと踏んで歩くと


思ったより深かった。



若い頃は 雪が降ると嬉しくて


イブの雪なんて 最高にロマンチックで


それだけでテンションが上がった。



今は、というと


この年の瀬に雪かきは嫌だな、とか


車は大丈夫かな、とか



煩わしさの方が先に立つ。



雪の多い地域にお住まいの方は


本当に大変だと思う。



ケンタッキーは11時の予約だったので


長男の運転で出かけた。



この時間になると、雪もやみ


路面の雪も溶けだしていた。



ケンタッキーの店内は既に列ができている。



本当に あのコマーシャルが浸透して


家族でフライドチキンを食べる家庭が


多いのだろうな、と思う。



あたりまえに 普通に過ごせることの


ありがたさを忘れがちだけれど



「普通」って あたりまえじゃない。


健康な身体、温かい家、平和な時間。





年の瀬の慌ただしさに紛れ込ませるように  


防衛費の増額、安保法の転換に続き


原発政策の転換も発表された。



福島はもう忘れ去られてしまったのか。



増え続ける汚染水はどうするのだろう。


増え続ける核のゴミはどうするのだろう。



深く掘って埋め続ければ それでいいのか?


未来の子孫に対する責任はどうした?



今さえ良ければ良くて


流して 埋めて 見えなくして



問題は先送り。



どんなにきれいな白い雪も


どんなに深く積もった雪も


いつかは溶ける。



雪が溶けて 汚くなった路面を見ながら


私たちの現実はこちらなのだと


ため息をつく。




 この世の中はホワイトじゃない。


 ホワイトじゃない世界で


 私たちは生きている。