センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

「おつかれ、今日の私。」

青色


1年に1回くらい、


ブックオフで大量に本を買うことがある。



それは、大抵が弱っているときだ。



啓発本だったり、


運について書かれた本だったり、


タイトルを見れば、その時の自分がわかる。



忙しい日々でオフにも何もやる気が起きず、


明け方に目が覚めては、何かに怯えていた。



「おつかれ、今日の私。」は


そんなときに選んだ1冊だ。



雑誌に連載されていたジェーン·スーさんの


エッセイをまとめたものである。



おそらく、バリバリと働く女性に向けて


書かれたものだと思うけれど、



本当にそのタイトルがぴったりの、


疲れた心に寄り添うエッセイだった。



役に立つ自分でいたい、


必要とされる自分でいたい、


という欲に抗えず、無駄に疲弊する自分。



そこを安易に利用される理不尽や


認めてもらえないもどかしさや


自分ばっかり、というネガティブな感情や…。



そうしたものに蓋をしなくていい、


時には自分を甘やかしていい、と


優しく背中を撫ででくれるのである。



嵐のような春を乗り越え、


ふっとやって来る虚しさを乗り越え、


突然の体調不良もなんとか乗り越え、



よし、頑張るぞ、と前を向けば


また、つまらない失敗に打ちのめされ、


悟りの開けぬシニアであるが、



見知らぬ幾多の同志に捧げられた、


「お疲れさま」のひとことは


何よりも心に沁みたのだった。



喝を入れて欲しいわけじゃないんだ。


アドバイスが欲しいわけじゃないんだ。



ただ、同じベクトルの向きで


気持ちに寄り添って欲しいだけなんだ。



読み終わって本を閉じると、


「おつかれ、今日の私。」と


心から自分に言える気がしたのだった。



私たちは黄昏を歩くセンチメンタル同盟