センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 幸福の軌跡

青色


母は文藝春秋が好きで、


ほとんど毎号買っている。


認知症でも読書は欠かさない。



この分厚い、文字も小さな文藝春秋を


時間をかけて読むのが楽しみらしい。


私は全部読み切る自信がない。



それでも、乱雑に積まれた1冊を


パラパラと読んでいると、



和田秀樹さんのインタビューがあった。


和田さんは、なるべくラクすることを


いつも考えているという。



沢山の著書があるけれど、


書くことにこだわらず、口述筆記でもいい、


AIを利用するのもいい、と考えておられる。



そして、


我慢しない生き方を勧める。



ワインがお好きで、


高いワインは躊躇もするけれど、


今だから飲めるのだ、と購入するらしい。



経済的に安定しているからこそだろうが、


なるほど、そうだなぁと思う。



死んだときにいちばんお金持ち、というのが


日本人に多いパターンらしいが、


それは誰のための生き方なんだろう。



いつ死ぬか、なんて誰にもわからないから


お金の貯め方、使い方は難しいところだが、


来ることのない「いつか」は意味がない。



もう既に、お腹いっぱい食べるなんて


なかなかできなくなっているし、


遠出もおっくうになる。



断捨離や終活も必要だろうけれど、


好きなものまで手放すことはない。



和田さんは、こんな調査を紹介している。



アメリカのダートマス大学の教授が、


世界145か国を対象に調べた研究である。



人生の幸福度と年齢の関係を調べると、


18歳から下がり始めて、


48.3歳で不幸のピークに達する。



そして、そこから上がり始めて、


幸福の最高値に達するのが82歳以上になる。



その軌跡がアルファベットのUを描くので、


「幸福のU字カーブ」と呼ばれているのだと。



これは先進国でも発展途上国でも同じで、


このU字カーブは世界共通。


人は歳を重ねるほど幸せになるのだという。



これは、素敵な研究結果ではないか。


若さが幸せのピークではないのだ。



少しずつできないことが増えて、


あちこち衰えてはいくけれど、


私たちのピークはまだ先にある。



やりたいことはやって、


無駄に頑張らず、ラクして生きよう。



幸福のU字カーブ。


私たちにはこんなお守りがあるのだから。