「蒼い夜空は星の海」
朝日新聞の「悩みのるつぼ」を時々読む。
今回の人生相談の回答者は姜尚中さんだ。
相談者は40代女性で、
癌が再発し、「ステージ4」の状態にある。
どうにか心の平安を保ち、前向きに生きるが
海外に住む友人からある依頼が届く。
彼女は断るいい機会だと、病状を伝えるが
友人はデリカシーに欠ける返信をして
前向きだった彼女を落ち込ませる。
友人は、ステージ4の彼女に対して
これまでの感謝の気持ちとして
旅行に誘ってくれたのだが、
それが彼女に再び、死を意識させた。
それまでも、遠慮のない依頼を受けてきて
彼女には不満もたまっていたのだろう。
「ステージ4の親友ではなく、今まで通り
ただの親友でいたい」と返信し、
旅行を断ってしまう。
相談は、
そんな対応をした自責の念から
心が揺れている。
どんな心持ちで過ごせばいいのか?
というものである。
姜尚中さんは、
傷つけられてもなお、相手を思う相談者を
「人間性の最高の価値」と讃える。
そして、心優しい彼女に
「もういいんですよ、
これ以上悩まなくて。
人の心は悩みの海でも、
蒼い夜空は星の海なんです。
星たちが遠くからあなたを
見守っているんですよ。
なんと素敵じゃありませんか。
さぁ、休みましょう、のんびりと」
と語りかける。
素敵な回答だな、と思った。
人の心は悩みの海でも
蒼い夜空は星の海
疲れた心に沁みる言葉である。
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