イブの光
どうしようもなく気持ちが塞いで
ずっと1日、ふとんをかぶって
闇の中に隠れていたい、と
鬱々と迎えた朝だった。
老猫は
私を見て、ひと声鳴き
しっかりと歩いて外に出た。
そこで時間をかけて水を飲み
朝日の中を
どこかに向かおうとしていた。
もう、食べることもできないのに
その背中は凛として
不甲斐ない私を叱咤するようだ。
命には必ず終わりがあって
受け入れなければならない現実なのに
私は、自分の顔を手で覆って
指の隙間から、こわごわと
その現実を覗いていた。
最期のその時まで
しっかりと自分の足で歩む背中は、
憐れみなどいらない と
弱い私に喝を入れ、
孤高を貫く潔さをも示してくれる。
私は自分の顔から手を下ろし
この現実と向き合って
闇の中には逃げ込まない。
そういう覚悟を持たせてくれた。
暖かなイブの光の中で
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