センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

クリスマスはやって来るのに

毎日、少しずつ大掃除を進めているが、


なんだかなかなか進まない。


雨戸も掃除して、網戸やガラスも拭いて、


カーテンも洗った。



さっぱりしたはずなのに


心が晴れない。






私たちと18年暮らした猫が


もう、この年を越せないかも知れない。



この12月が加速度をつけて過ぎるように


この猫の命も加速度をつけて


終わりに向かっている。









仔猫のときだけ可愛がって


少し大きくなると、あっさりと捨てる


馬鹿な輩がどこかにいて、


我が家の猫は、そうやって捨てられ


迷い込んだ猫ばかりだった。




この老猫もその一匹で


飼われていたから、人間に近づくのに


あちこちで怖い目にもあったらしく


なかなか人を信用しなかった。



それでも、我が家の一員となり


他のどの猫とも仲良くなれなかったが


プライド高く生きてきた。







18年は長いようで、あっという間だ。




小鳥やねずみや獲物を捕まえては


意気揚々と見せに来た、


あの元気なおてんば娘は


もうヨロヨロと歩くことしかできず


食べ物も受け付けない。




長生きしてね、と母は言ったが


長く生きることの大変さも


私たちに教えてくれるようだった。






もう、湯たんぽを替えてあげるくらいしか


私にできることはない。




ありがとね。いっしょに生きてくれて。





彼女の痩せた体をなでながら



どうか痛みも苦しみもなく、


穏やかに旅立つことができるよう



ただそれだけを祈り



泣くことしかできない。





クリスマスはやって来るのに。