センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 作者の気持ち


昔、ある作家さんが書いたエッセイを読んで


なるほどね〜、と笑ってしまった。



あるとき、その作家さんの書いた作品が


国語のテスト問題に採用された。



漢字に直せだの、読みがなをふれだの、


よくあるあれである。



そして、またよくあるあれは



傍線が引いてあって


「このときの作者の気持ちは次の内どれか」


みたいなヤツ。



できあがったテスト問題を見て


この作家さんも解いてみた。



で、この「作者の気持ち」ってヤツを


選択肢からチョイスして書いた。



そして、見事に間違えた。



作家さんは頭をひねって考えたのだ。


自分はどんな気持ちだったんだろう?と。



それでも、間違えた。書いた本人なのに。



この場合、どんなことが考えられるか?



➀問題の作成者が間違っている


②作者はな〜んにも考えずに書いている


③国語のテストに「人の気持ち」は不粋



私の選んだ答は③である。



点数つけなきゃいけないんだから、


しょうがないよね。


こういう解答パターンは必要なんだろう。



私は国語のテスト、嫌いじゃなかったけど


この作家さんのエッセイを読んで


なんだか嬉しかった。



作者自身がわからない「作者の気持ち」。


そんなもん、正答出そうってのが


不粋というもの。



ちなみに 子供の頃は難なく解けた問題、


大人になってからやってみると


結構、間違える。



大人の邪心が邪魔するのかも。