センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 雨の誕生日




1日雨が降り続いた。



夕方、スーパーに行くと



夫と同じくらいの背の高さの男性に


はっとした。



夫がよく着ていたような、


ジャンバー姿の男性にドキッとした。



いるわけないのに


もうすぐ1年になるのに



なぜだか いちいち反応している。





雨のこの日、


夫の誕生日だった。



去年のこの日に生きてた夫は


どんな誕生日を迎えたんだろう。



あの荒んだ部屋で 何を思っただろう。




64回目の誕生日は迎えられなかった。


雨は降り続く。



誰が消えてしまっても


この世は変わらず続いていく。



そしてまた、太陽は昇り


いろんな思いも 泡のように消えていく。