センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

年老いた君へのエール


朝、家の前をお散歩するわんこが何匹かいて


そのうちの一匹は、見るからに高齢だ。



後ろ脚がジャンプするみたいな


不自然な歩き方になっている。



そして しばしば


「もう歩けない」とばかりに


座り込んで ゴホゴホ咳き込む。



早朝ではあるが暑いし、しんどいのだろう。



飼い主が高齢なのか


散歩させている方はボランティアらしい。


しかし、その方も高齢者なのだ。



歩けなくなったわんこを


しばし立ち止まって待つのだが



最後には 抱きかかえて歩き出す。


なかなか大変だ。



聞くと、そのわんこは18歳なのだという。



去年、旅立った我が家の老猫も


少し大きくなってから捨てられたが



我が家で18年暮らしたので


少なくとも18歳以上で旅立ったことになる。



その2年前に旅立ったハチワレ猫は


20歳だった。



我が家で飼った猫で 


唯一、生年月日がわかる猫だった。



若い獣医さんが


20年も生きてる猫を初めて見た!


と、驚いていた。





わんこもにゃんこも 長生きになった。


こちらもまた 老老介護だ。



わんこを飼いたい私は


18歳の老犬の頭を撫でながら



自分の年齢に18を足して ため息をつく。


私は元気で生きているだろうか。



こんなふうに、歩けなくなったわんこを


抱っこして歩けるだろうか。




そんなことを考える年齢になったのだ。




やがて この老犬は 


乳母車に乗ってやって来るようになった。



気持ちいいのか、うとうとと眠っている。


そっと頭を撫でながら



このボランティアの女性と老犬に


がんばれ、がんばれ、と


心の中でエールを送るのである。